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  • 高森明勅

天皇陛下のお誕生日に際してのご会見でのご発言から


天皇陛下のお誕生日に際してのご近影

天皇陛下のお誕生日に際してのご会見。

君主としてのスケールの大きさの改めて実感できる内容だった。

優に単行本1冊分以上の中身が詰まっていた印象だ。


「気候変動」という地球規模での問題について、ごく当たり前のように言及され、オゾン層の回復については国際的な連携・協力などによって、すでに目覚ましい改善が見られる事実を取り上げて、将来に向けた勇気を鼓舞して下さった。


その文脈で、温暖化予測にも用いられた気候モデルの開発でノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郎博士の功績を取り上げられたのは、絶妙な構成と言うべきだろう。

節度あるナショナリズムと節度ある国際主義の見事な融合を見る思いだ。


東京オリンピックなどについても、次のように触れられた。


「参加国の選手同士がお互いの健闘をたたえ合う姿や、例えば、女子バスケットボールの表彰式の後で、日米仏3か国の選手全員が自然に入り交じって記念撮影に臨む姿など、国境を越えた選手同士の交流が各所で見られたことにも感慨を覚えました。この度の北京での冬季オリンピックでも選手同士の心温まる交流を目にしました」


「そのような光景を見ながら、私は、50年前の札幌冬季オリンピックでの、70メール級スキージャンプで金メダルを取った笠谷幸生選手の健闘をたたえて笠谷選手を肩車した、ノルウェーのインゴルフ・モルク選手の姿を懐かしく思い出しました。

国と国との間では、様々な緊張関係が今も存在しますが、人と人との交流が、国や地域の境界を越えて、お互いを認め合う、平和な世界につながってほしいと願っております」と。


50年前に笠谷幸生選手を肩車したインゴルフ・モルク選手。

そのたった1つの情景を浮かび上がらせることで、陛下が伝えたい願いが、一瞬にして血の通ったものになるのを感じる。


これから何度かに分けて、この度のご会見での天皇陛下のご発言を紹介したい。

なお全文は宮内庁のホームページで公開されている。



■宮内庁ホームページ

https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/51


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