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執筆者の写真高森明勅

旧宮家系男性らの人生に僅かでも敬意を払ったらどうか


旧宮家系男性らの人生に僅かでも敬意を払ったらどうか


国民が期待した皇位の安定継承には背を向けた有識者会議。

「事務局において制度的、歴史的観点等から調査・研究を行うべき事項」にはこんな項目も。


養子縁組プランを巡り、「皇位継承資格があるとする場合、順位をどうするか」。


これは、皇位継承資格が“無い”場合も、普通に想定している事実を示す。しかし、養子縁組で皇族の身分を新たに取得するというプランそのものの妥当性や実現可能性とは別に、そのようにして皇族の仲間入りをすることは、国民としての自由や権利をほぼ全面的に断念することを意味するはずだ。


当事者に、一方ではそれだけの犠牲を求めながら、もう一方で、「男系主義」に固執する以上(養子縁組プランの前提はそれだ)、男性皇族にだけは当然与えられるはずの皇位の継承資格が、養子には与えられない場合も想定しているというのは、余りにも本人の人格を無視するやり方ではないか。


それでは露骨に、ただ目先の人手不足を解消する為だけ、ないし「男系男子」の子孫をもうける為の皇籍取得という話になってしまう。極めて非人道的なプランと言う他ない。


対象となる旧宮家系男性、国民の中に数多くいる皇統に属する男系の男子の人生を、一体どう考えているのだろうか。養子縁組プランは、当事者が皇位継承資格を持つことを前提に、その是非を判断すべきだ。

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