top of page
  • 執筆者の写真高森明勅

天皇から元号へ


天皇と元号

天皇から元号へ

日本教師塾の懇親会。講義より踏み込んだ話題がしばしば。その中から1つだけ紹介する。


私がこんな問いかけをした。「“天皇”という称号が成立したのは、恐らく608年。元号の起こりは645年。もし、この順序が逆だったらどうなったか?」。


W先生が一瞬、考え込み、こう回答された。

「…中国の元号を使うことになった」と。さすが。まさに正解。


しばらくはシナの元号を使っていただろう。このやり取りが直ちにピンと来た人は、「天皇」や「元号」についてある程度、深い理解があるはずだ。朝鮮半島の場合、その君主がシナ皇帝に従属する「王」の地位に長くとどまった。なので、(初期の一時期を除き)シナ皇帝が定めた元号を使い続けた。わが国でも、もし従属関係を解消した「天皇」という地位が登場していなければ、(天皇が定めた)自前の元号を使うことは出来なかったはずだ。元号はシナ(漢)で始まり、朝鮮半島や日本にも広がった。だが、その受け入れ方は両者で正反対。前者では元号がシナ王朝に対する従属を表示したのに対し、わが国の場合は独立の象徴だった。講義内容の応用問題のつもりで質問してみた。その場ですぐに正解が出たのは嬉しかった。


全く別件ながら、朝日新聞社の言論サイト「論座」で先ごろ公開された倉持麟太郎弁護士の「アメリカのオケが法律家の僕に教えくれた事(上・下)」は、読み応えがあり、共感できた。


【アメリカのオケが法律家の僕に教えてくれた事・上】

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019090600008.html


【アメリカのオケが法律家の僕に教えてくれた事・下】

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019090700001.html



閲覧数:70回
bottom of page