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  • 執筆者の写真高森明勅

「皇位の安定継承」論議は40年後?


「皇位の安定継承」論議は40年後?

「皇位の安定継承」論議は40年後?


小泉内閣当時、「皇室典範に関する有識者会議」の座長代理(事実上の取り纏め役)だった元最高裁判事の園部逸夫氏と安倍内閣の「天皇の公務等の負担軽減に関する有識者会議」の同じく座長代理だった東大先端科学技術センター客員教授の御厨貴氏が、対談。


御厨 2月10日の衆院予算委員会で、菅義偉官房長官が、安定的な皇位の継承について、「今後の検討に備えて、有識者への意見聴衆を行っている。そして、4月の『立皇嗣の礼』のあとに具体的な論議を行う」という考えを示しました(山尾志桜里議員の質問への答弁ー引用者)。


園部 安倍政権は、議論を再開するのですか。


御厨 いいえ。関係筋からは、「国会での菅官房長官の発言は、実は『裏読み』、否定の意味なんだ」と言われました。つまり菅官房長官は、有識者会議を招集する、とはひと言も言っていない。本格検討する、とのニュアンスこそ口にし、専門家の意見を聞きはしても、それだけだと。政権に近い人が言っていました。「40年はやらないよ」と。


園部 いつから安倍政権は、手をつけないと決めたのだろうか。…


御厨 安倍首相の総裁任期は21年9月で終わりが近い。皇室典範の改正など新しいことに手をつける気はないでしょう。…どうも政権は、皇族の減少がギリギリに追い込まれるまで何もせず、最後に「エイヤッ」とやってしまおうと思っている節がある。(「週刊朝日」3月6日号)


ここでの発言がどこまで真相に迫っているのか。こともあろうに、国家と国民にとって重大無比な皇室の存続、皇位の安定継承という至上課題を、果てしなく先送りして、最後の最後に、出たとこ勝負で「エイヤッ」とやってしまおうとしているなどとは信じたくない。


しかし、問題をひたすら先送りしようと図っている気配は、強く感じ取れる。有志はその可能性を予め織り込んで、後世に悔いを遺(のこ)さない対処の仕方を考えておく必要がある。

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