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  • 執筆者の写真高森明勅

護憲派は「非立憲」

立憲主義という言葉が随分いい加減に使われている。

あたかも「護憲」の言い換えであるかのように。

だが、いわゆる護憲派こそ、 最も立憲主義を軽んじているのではないか。 一般に護憲派は自衛隊を「違憲」と見ている場合が多い。

ならば、立憲主義の立場からは、 自衛隊「解体」を公然と求めるのが筋だ。 しかし、自衛隊解体論を声高に訴える人々はごく少数。

しかも、その訴えは殆ど説得力を持たない。

又、合憲論に立つ場合、 「戦力」未満の自衛隊を追認することになる。

だが、「戦力」未満の自衛隊では、 個別的自衛権すら満足に行使できない。 個別的自衛権を行使できなければ、他国の侵略を防げない。 他国に侵略されれば主権を維持できない。 主権を維持できなければ、憲法の効力は喪われる。 個別的自衛権を行使できないまま侵略を防ごうとすれば、 強力な軍事力を持つ他国に依存するしかない。 そのように他国に依存すれば、 その国に従属する結果になる。 そうして他国に従属すれば、主権は制約を免れない。 主権自体が制約されたら、憲法の効力も限定的になる。 従って護憲派の立場では、自衛隊違憲論でも合憲論でも、 結局、国家権力を“憲法”によって正統化し制限する「立憲主義」は、 成り立たない。

少なくともわが国では、 護憲=非立憲主義。

その事実を知るべきだ。

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