神話に由来する「三種の神器(じんぎ)」は
神聖な皇位の“しるし”。
従って、皇位を継承された場合、 神器は直ちに新しい天皇のもとに移る。 明治の皇室典範にも次のような明文規定があった。
「天皇崩ずるときは皇嗣…(直ちに即位して) 祖宗(そそう)の神器を承(う)く」(第10条)と。 今の典範には、そうした明文の規定はないものの、 昭和から平成への御代(みよ)替わりの際に、 きちんとその趣旨を踏襲し、時間を空けないで、 神器を受け継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」 などが執り行われた。 再来年に予定されている御代替わりにおいても当然、 同様に行うべきだ。
普通に想像力を働かせば良い。 今上陛下が譲位されて上皇となられる。
一方、皇太子殿下は即位されて天皇になられる。 皇位は厳かに継承される。
にも拘らず、皇位のしるしの神器が、 暫く上皇のもとに留まり続けたり、 全く別の場所に保管されたりするのは、 明らかに道理に反する。 天皇の退位と皇嗣の即位は「同瞬間」になされ、 それから時を隔てないで剣璽等承継の儀などが 行われるのが、当たり前だ。
元号を改めるのは、その翌日で良い。 神器は皇位と共にあり。
万が一にも、その鉄則を蔑(ないがし)ろにしてはならない。
こんな初歩的な事を、 改めて強調しなければならない事自体、 甚だ情けない。
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