• 高森明勅

天皇陛下と「神田川」



天皇陛下と「神田川」

世の中には、天皇陛下のお身体に定期的に直接触れる、というお仕事がある。ご担当の理髪師がそうだ。10年間、そのお役に携わって来られた大場隆吉氏が、以下のような証言をされている。


「令和の時代に入り、陛下の行幸やご公務を拝見していると、身体や心にかかる負荷を心配せずにはいられません。直接陛下に触れる私の手に伝わった疲労やストレスは、計り知れないものがあったからです」


「陛下の髪は柔らかく素直でいらっしゃいますが、普段から伸びは遅めで、頭皮は内部が緊張し内面で忍耐されているご様子が窺えました」


「私は10年間陛下に直接触れさせていただいたからこそ、ご自分の不調を声に出さない辛抱強さを知っております。これまで、陛下が心とお身体を維持されてこられたのは、どんな時でもウィットに富んだ笑いを愛する陛下のご性格によるものかもしれません。私との会話の中でも、かぐや姫の『神田川』の歌詞で『石鹸がカタカタ鳴った』というところがいいですね、とおっしゃるので『殿下にもおわかりですか』とお聞きすると、『それはわかりますよ、(留学中に)ロンドンでも大分寒い思いしましたから』とおっしゃいました」と。


陛下が、「神田川」の「♪小さな石鹸、カタカタ鳴った」という一節に共感されていたとは、少し意外だ。

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