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  • 執筆者の写真高森明勅

ジェンダー平等を願う秋篠宮家にジェンダー不平等の押し付け


ジェンダー平等を願う秋篠宮家にジェンダー不平等の押し付け

皇位の安定継承への道を探る場合、意外と深刻な障害になりそうなのは、有識者会議報告書にあった現在の皇位継承順序を変更しないという“縛り”だ。


即ち「今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてならない」(同6ページ)と。

勿論、理性的に考えると、このような愚かな言い分など、歯牙にもかける必要はないはずだ。

天皇陛下より年齢が僅か5歳お若いだけの秋篠宮殿下が即位されることは、現実的には考えにくい。更に、皇位継承の将来が不安定化し、それが問題になっているのは、他でもない現在の構造的な欠陥を抱える皇位継承ルール自体が原因であることは、自明だ。


だから、そのルールを改正しようとしている時に、その欠陥を抱えたルールによって規定されている現在の継承順序の維持を「前提に」し、それを変更しない範囲で限定的·小手先的な改正にとどめようとすることがいかに不合理か。


恐らく小学生でも分かるだろう。


しかし、感情的な要素させるを混入させると、少し事情が違ってくる。

現在の皇位継承順序を変更すると「秋篠宮家がお気の毒」「秋篠宮家に失礼」といった薄っぺらい情緒的な発言が案外、訴求力を持ちかねない。

しかし、率直に言って、そうした発言は自分たちの無理筋な意見を押し通す為に、甚だ無礼な話だが秋篠宮家をダシにしているに過ぎない。秋篠宮家の方々のお気持ちを謙虚に拝し、それを極力尊重しようとする姿勢とは似て非なるものだ。

秋篠宮家がこれまで、今のルールを一先ず前提に、当事者として最大限の努力を傾けて下さっているのは、有難い事実だ。


しかし一方、秋篠宮家がジェンダー平等を強く願っておられることも、周知の事実だろう

(江森敬治氏『秋篠宮』ほか)。

ご次女の佳子内親王殿下も、毎年お出ましのガールスカウトのイベントでもジェンダー平等の達成を呼びかけておられる。

私にとって印象的だったのは、秋篠宮·同妃両殿下が先頃、新英国王の戴冠式にご出発された際、宮邸の玄関前でお見送りされていた佳子殿下と悠仁殿下が邸内にお戻りの時に、ごく自然な形でお姉様の佳子殿下が先にお入りになったシーンだ。


古い発想だと、皇位継承資格を持つ男子の悠仁殿下が先でなければならない、となるかも知れない。だが、秋篠宮家の家風はそのような頑なさとは無縁らしい。


秋篠宮家ご自身がジェンダー平等の実現を望んでおられるならば、一夫一婦制と少子化が進む中で、側室制度という支えがあってはじめて維持可能な旧時代的でミスマッチのルールに対して、はっきりと違和感を抱いておられることはたやすく想像できる。

「秋篠宮家の為に今の継承順序の維持を」という言説は、実は秋篠宮家の方々のお気持ちを裏切って、ジェンダー“不平等”を押し付けようとしているのではないか。


万が一このルールがそのまま維持された場合、繰り返し指摘してきたように、やがて皇室には悠仁殿下お一方だけが残る事態となり、ご結婚のハードルも極めて高くならざるを得ない。


又、めでたくご結婚された場合でも、男子出産への重圧は想像が絶したものになる。

畏れ多いが、悠仁殿下は苛酷なご生涯を強制されることになる。


それはもはや、「お気の毒」とか「失礼」といったレベルをはるかに超えた、非人道的な事態となる。

秋篠宮家の為にも、皇位継承の安定化に向けて、現在の皇位継承順序にとらわれない、“ゼロベース”の検討が欠かせない。

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