先に取り上げた『週刊朝日』(令和元年11月1日号)の「女性天皇」などを巡る国会議員アンケートに絡んで、以前にも紹介したはずだが、いささか不愉快な思い出がある。
それは、皇位継承資格の「男系男子」限定という旧時代的なルールに過剰に拘る憲法学者と一緒にテレビ番組に出演した時のことだ。
その人は番組の中で、先のアンケートの結果について、驚くべき紹介の仕方をされた。およそ、こんな調子だった。
「国民一般を対象としたアンケートでは、女性天皇を認める感情的な声が8割とか、多く占めます。ですが、その国民から選ばれた国会議員の場合はきちんと理性的な判断をして、〈愛子さまが天皇に即位できるように皇室典範を改正するべき〉といった回答は、全体の28%に過ぎませんでした」
極めてアンフェアな説明だ。さすがに呆れた。
その時、たまたま私もその週刊誌の記事をスタジオを持ち込んでいた。そこで早速、以下のような“補足”をした。
「今、〇〇先生が紹介された数字は確かにその通りなのですが、いくつか関連のデータが抜けていました。なので、それを補足させて下さい。まず、この時の回答で最も多かったのは〈無回答・回答拒否〉で、65%もありました。きちんと回答があったのは、情けないことに35%に過ぎなかったのです。
その35%のうち、先にご紹介戴いたように〈するべき〉が28%だったんです(ちょうど8割!)。これに対して、〈するべきではない〉はそれの3分1にも達しない、僅か8%しかなかったんですね(合計が35%を超えるが元の記事のまま)。先ほどの説明だけだと、視聴者に間違ったメッセージを届けることになりかねませんので、少しだけ補足させて戴きました」
この番組を見ていた知人の話では、私が補足説明をしている間、その憲法学者は素知らぬ顔をされていたそうだ。
追記
6月3日、「政教関係を正す会」(百地章会長)の役員会に出席した。
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