• 高森明勅

皇位の安定継承を目指す解決策を導くシンプルな思考プロセス



時折、「皇統問題は難しい」と言う人を見かける。

しかし奇妙な先入観を排して、皇室の末永い存続と皇位の安定継承を“本気で”目指すなら、その解決策を探る思考プロセスは至って簡単明瞭。以下の通り。


なお解決策は、改めて言うまでもなく、憲法に違反しないで、皇室の方々のお気持ちに背かず、幅広い国民から受け入れられ、わが国本来の伝統や現代の価値観を尊重し、制度として整合性・持続性を備えたものでなければならない。



現状とその背景



①現状は、次の世代の皇位継承資格者が秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下ただお1方だけ、という先延ばしを許さない危機的状態。


②その背景にあるのは、皇室典範それ自体が皇位継承を不安定化させる「構造的欠陥」を抱えていること。


③その「構造的欠陥」とは、側室制度を前提とした非嫡出子・非嫡系子孫の皇位継承資格を否認する一方で、その支えがなければ“持続不可能”な明治の皇室典範以来の「男系男子」限定という皇位継承資格の縛りを、そのまま維持していること。



唯一の「正解」



④ところが、非嫡出・非嫡系による継承可能性を復活させることは無理。

なので、皇室典範の構造的欠陥を解消する為には、「男系男子」限定という縛りを解除する(=女性・女系天皇を認める)ことだけが、“唯一”の妥当かつ実現可能な解決策ということになる。


それは「女性尊重」(および双系的な血統観)という“本来の”日本の伝統に沿っているし、現代の価値観とも合致する。


⑤これに対し、“時代遅れ”な男尊女卑を引きずる旧宮家プラン(養子縁組又は単なる法的措置だけで同家系国民男性が皇籍を取得できるようにする方策)は、上記の「構造的欠陥」そのものには何ら手を着けない。


よって、全く解決策にならない。その上、現代の普遍的な価値観に反するばかりか、シナ由来の観念(男尊女卑=男系絶対)に“思考停止”的に執着し過ぎだ。


⑥しかも、憲法が禁じる「門地による差別」に当たり、一発アウトで採用できない。


⑦憲法は、「世襲」つまり“皇統に属する子孫による継承”を要請するにとどまり、男系・女系、男子・女子のいずれも排除しない。つまり、「男系男子」限定を解除し、女性・女系天皇を認める皇室典範の改正は、憲法には何ら抵触しない。



皇室も国民も望む解決策



⑧幸い、直系の敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下はご結婚後も皇族の身分にとどまることを希望しておられると拝される(3月17日のご会見など)。それ故、制度改正の有効性も期待できる。


⑨一方、目下のところ皇位継承順位が第1位でいらっしゃる秋篠宮殿下は、ご即位を望んでおられないと拝察できる(「皇太子(皇太弟)」の称号を辞退され、ご本人の希望で“傍系”を示す「秋篠宮」という宮号を維持された等)。


⑩それに加えて、上皇陛下ご自身が“直系”の敬宮殿下のご即位を望んでおられるとの重大証言がある(奥野修司氏『天皇の憂鬱』新潮新書)。


それは恐らく上皇陛下お1方だけのお気持ちではあるまい。


しかも、国民の多く(これまでの世論調査では7~9割前後)が「女性天皇」という選択肢を支持しているという事実もある。


→以上から、結論は自ずと明らかだ。

正しい解決策は皇室典範を改正して「女性・女系天皇」を認めること。

その場合、直系優先の原則に照らして、次の天皇は敬宮殿下になる。

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