• 高森明勅

皇位の安定継承を目指して、政治の動きの重要局面で討議する


皇位の安定継承を目指して、政治の動きの重要局面で討議する

10月10日、わが郷里の岡山県でゴー宣道場が開催される。

テーマは「女性天皇・女性宮家は不可能なのか?」。


冒頭、私が30分ほど基調講演を仰せつかっている。


ゲストには、『美智子さまという奇跡』の著者の矢部万紀子氏をお招きする。

幻冬舎新書の同著を読んで、深く心を動かされた(他に『雅子さまの笑顔』も印象に残る著書だ)。

私には無い視点と感性。

皇室関係の著書としては珍しく、多くの部分で共感できた。


なので、昨年の緊急シンポジウムを企画した時に、真っ先に登壇者の候補に名前を挙げた。

幸い、倉持麟太郎弁護士を通して依頼したところ、直ちにご快諾戴いた。

当日は、期待に違(たが)わぬ発言をして下さった。

この時のシンポジウムは、政府の姑息で無理筋の「皇女プラン」を押し戻し、当初は避けようとしていた有識者会議の設置へと、局面を大きく転換させるキッカケになったと、自負している。


今回の道場も、新型コロナ禍の中、わざわざ岡山までお越し下さることに、感謝申し上げる。


小泉内閣で頓挫して以来、長年、先延ばしされ続けて来た「皇位の安定継承」への取り組みが、やっと動き始めたかと喜んでいたら、又々風前の灯火。

やはり政府の一諮問機関に過ぎず、民主的な正統性を背負わない有識者会議に、重大な決断を期待することは出来ない。


恐らく、目先だけの「皇族数の確保」策として、“一代限りの女性宮家”で逃げ切りを図ろうとするはずだ。

最悪、政治的な配慮から、憲法が禁じる「門地による差別」に当たり、“国民平等”の原則に違反する旧宮家案も、両論併記的に答申に盛り込まれる可能性がある。


その後は、特例法の附帯決議にある通り、「立法府(国会)の総意」を取りまとめる段階に移るはずだ。

上皇陛下のご譲位を可能にした特例法を準備した時のように、衆参両院議長が中心になって、国会の全党全会派が一堂に会して、それぞれ意見を出し合う場が設けられることになろう。

ここが正念場になる。


それが、どの時点になるか。

衆議院議員の任期が10月21日で満了になる。

だから、それまでに衆院選挙が行われるはずだ。

東京オリンピック・パラリンピックが9月5日まで。

一方、菅首相の自民党総裁任期が同月30日まで。


なので、政界関係者から話を聞くと、パラリンピック閉幕“後”、総裁任期が切れる“前”に、早く衆院を解散して選挙戦に突入し、今のところ10月10日辺りが投票日になる可能性が最も高いとか

(又は翌週の17日)。

もしその予想通りだと、道場開催日とドンピシャリ重なることになる。


そこまで重なるかはともかく、立法府の総意を取りまとめるのは、当然、選挙後のはず。

だから、上記のスケジュールの見通しに大きな狂いが無ければ、岡山道場の開催は恐らく、皇位の安定継承を巡る政治の場での、最終決戦“直前”ギリギリのタイミングになりそうだ。

言うまでもなく、極めて重要な時期に当たる。


私自身も、立法府の総意取りまとめの時期を睨んで、9月末に新著を出す予定にしている。

この問題に関心を寄せておられるベテランの国会議員は、有難いことに、このような時機での拙著の刊行を、心強く受け止めてくれているようだ。

立法府の総意取りまとめがまともな形で決着するように、心ある国会議員の皆さんに参考にして戴けると、嬉しい。


既に原稿を渡した担当の編集者からは、「本格的な内容で盛りだくさんなのに、読みやすく面白い」と評価して貰った。

「これまでの本と違って」と言われたのは、褒められたのか貶されたのか、いささか複雑な気分だが(岡山道場の会場では新著のサイン会も予定している)。


皇位の安定継承の為には、どうしても

①女性天皇

②女系天皇

③女性宮家

が“セット”で実現されねばならない。


政府も、それが「正解」だと、とっくに分かっているはずだ。

しかし、政治的な配慮で、又ぞろ先延ばしを図る可能性が高い。

今回は目先だけの「皇族数の確保」、次は…もしいつか機会があれば「皇位の安定継承」と。“匍匐(ほふく)前進”方式だ。


だが果たして、「次の機会」を本当にアテに出来るのか? 


臆病な問題解決の先延ばしの繰り返しで、最も犠牲になられるのは、他でもない当事者であられる皇室の方々ご自身だ。

その事実にどれだけの政治家が気付いているのか。

それとも、気付いていても勇気が無いのか。


政府・国会が勇気を持って正解の方策に踏み切れるように、国民の力強い後押しが今こそ必要だ

(拙著もその後押しを引き出す為に他ならない)。


岡山での道場は、そのラストスパートへの跳躍台になるはずだし、そのような道場にしなければならない。

志ある多くの方々の参加を呼び掛ける。