メディア・リテラシー
『新しい公民教科書』(自由社)はメディア・リテラシーの大切さにまで言及している。 以下の通り(31節)。
「マスメディアは世論を特定の方向に誘導していくことも可能です。マスメディアの機関は、政治についての特定の意見や主張をもっていることがあります。新聞の場合、同じできごとについての各社の社説を比較すると、意見の相違がはっきりと分かります。また、事実の報道においても、各メディアは『どの事実がより重要か』についての判断基準をもって記事をつくります。
したがって、私たちがマスメディアの情報を批判的に読み解く視点を失ってしまうと、世論はマスメディアによって歪められたり、意図的に特定の方向に誘導されたりする危険性があります。
公正で偏りのない世論を形成するためには、種類や立場の異なる複数のメディアを比較することや、マスメディアの情報について他の人と意見交換するなどの方法があります。何が確かな情報かをみきわめ、そのうえで、自分の意見を形成するメディア・リテラシーの能力が大切です」
公民教育の上でとても重要な指摘だ。
以上、同教科書から何回かに分けて記事の一部を紹介してきた。
この他にも、天皇や憲法をはじめ、注目すべき記述は多い。
広く国民一般にとっても、健全な常識を“体系的”に身に付けられる、貴重な教材になっている。こうした教科書を、文部科学省の検定合格にまで持ち込んだ、関係各位の忍耐と信念に、改めて尊敬の念を表したい。
なお、昨日(5月4日)のブログに「剛直化」とあったのは、勿論「硬直化」が正しい。ここに訂正する。
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