世論調査で、「女系」という概念が理解できているか質問すると、半数ほどが理解できていなかった、という結果がある(NHK、令和元年9月28日から2日間実施、1539人から回答。女系の意味を知っているか?「知らない」52%)。
だから、世論調査で「女系天皇」を支持する国民が多くても、分からずに支持しているのだから意味が無い、という意見も耳にする。
しかし、女系が分からずに、「男系」という概念だけ、きちんと理解できるとは考えにくい。女系が分からない人は、同じように男系についても分かっていない、と見るべきだろう。分かっていなくても、そのことに関わりなく、「男系天皇」に敬愛の念を抱いている。
それを無意味だと言う意見は、これまで聞いていない。
アンバランスではないか(しかも、女系の概念は、法律用語として狭義と広義があり、広義の用法は、文化人類学では女系でなく「非単系」とされている他、別に男系・女系の判別を巡る複雑な問題もあって、その辺りをキチンと整理できている人は、ほとんどいないだろう)。
要は、現代の日本人の多くは、男系と女系を決定的に差別する旧式の(しかも元々、シナの男尊女卑、男系主義によるバイアスを強く被〔こうむ〕った)感覚に、もはや拘(こだわ)って“いない”、ということ。
そんな感覚とは無縁に、天皇の血筋(皇統)に繋(つな)がる「世襲」継承であれば、当たり前のように受け入れているのだ(前出の世論調査では、「女系天皇を認める」に賛成が71%、反対が13%)。