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執筆者の写真高森明勅

昭和天皇祭

更新日:2020年12月25日


昭和天皇祭

1月7日、昭和天皇祭。皇居・宮中三殿の皇霊殿(こうれいでん)で行われた。天皇陛下のご即位後、初めて。合わせて、八王子市の武蔵野陵(むさしののみささぎ)にも勅使が差遣され、幣帛(へいはく)を奉(たてまつ)って拝礼がなされた。夜には御神楽(みかぐら)も。ご丁重な祭りだ。


昨年のこの日には、ご譲位前の上皇陛下によって「昭和天皇三十年式年祭」が厳粛に執り行われた。この時はより丁重に、上皇陛下ご自身が武蔵野陵までお出ましになっての祭祀だった。


昭和64年1月7日、昭和天皇が87歳で崩御(ほうぎょ)された。記録の確かな歴代天皇では最長寿であられた。


111日間のご闘病の間、ご平癒(へいゆ)を願う多数の国民が、各地に設けられたお見舞い記帳所を訪れた。その数は延べで800万人を越え、恐らく一千万人にも達したであろう、と言う。私自身も記帳所に並んだ1人だ。


昭和天皇が崩御された当日は冷たい雨の降る暗鬱な日だった。街角には弔旗(ちょうき)が掲げられた。私は拙い挽歌(ばんか)を詠(よ)んだ。以下、(書斎のどこかに紛れてしまったので)覚束(おぼつか)ない記憶を頼りに掲げさせて戴く。


昭和の民(たみ)

挙(こぞ)り祈りし

御平癒の

願ひ空しく

今日を迎ふる


街角の

弔旗を濡らし

沁(し)み透(とお)る

民の嘆きと

冬の雨降る


さしのぼる

朝日のごとく

へだてなく

世を照らしたまふ

わが大君(おおきみ)は


神代(かみよ)より

変はらぬ嘆き

今にあり

わが大君は

神上(かむあ)がりましぬ


改めて昭和天皇を敬悼申し上げる。


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