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  • 執筆者の写真高森明勅

日本とドイツ、憲法比較

第2次世界大戦の敗戦国、ドイツ。

その「ドイツ連邦共和国基本法」(1949年5月施行)にも、わが国の憲法9条1項と共通する条文がある。


即ち「諸国民の平和的共同生活を妨げ、特に侵略戦争の準備をするのに役立ち、かつ、そのような意図をもってなされる行為は、違憲である」(26条)と。しかし、日本の憲法とは異なり、憲法施行後の改正で、以下のような条文も追加された。

「男子に対しては、18歳から軍隊、連邦国境警備隊または民間防衛団における役務に従事する義務を課すことができる」(12a条1項=1968年6月に追加)

「連邦は、(国の)防衛のために軍隊を設置する」(87a条1項=1956年3月に追加)等。

先の条文を残したまま、「軍隊」に関する規定が当然のように“追加”されているのだ。こう見ると、わが国の憲法9条1項も、それ自体は、特に「軍隊」そのものを排除する規定ではない、と理解できる。 やはり憲法改正の“焦点”は2項(特に「戦力不保持」規定)だ。

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