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執筆者の写真高森明勅

「集団的自衛権」は合憲?

井上武史氏は憲法学者としては珍しく 「集団的自衛権」は合憲との立場。


学界では絶対的な少数説だろう。


しかし、学説の当否が多数決で決まる訳ではないのは、 私自身、体験的にも確信している。 では井上氏はどのような論理で合憲との結論を導いているのか。 およそ以下のようであるらしい。


(1)政府が、それまでの憲法解釈を変更する事自体は、憲法上の問題はない。 (2)集団的自衛権は国際法上、各国に認められた権利だ。 (3)日本国憲法は集団的自衛権を禁止も肯定もしていない。 (4)集団的自衛権は「権限」ではなく「権利」なので、授権規定は必要ない。 (5)よって、憲法が集団的自衛権を肯定(つまり授権)

していなくても、ことさら禁止されていない以上、 政府が従来の解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めても、 違憲にはならないー。


それなりに筋の通った理屈のように見える。 しかし私は憲法学はズブの素人ながら、 2点ほど重大な弱点を抱えているように感じる。


それは…別の機会に。


皆さん、それぞれ考えてみて欲しい。

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