猿にかも似る
元号「令和」の出典は万葉集(プラス文選〔もんぜん〕)。
その出典となった「梅花(ばいか)の歌」序文を書いたのは恐らく大伴旅人(おおとものたびと)だろう。旅人は言う迄もなく、万葉集を代表する歌人、家持(やかもち)の父。その旅人の作に次のような和歌がある。有名な「酒を讃(ほ)むる歌13首」のうちの1首だ。
あな醜(みにく)
賢(さか)しらをすと
酒飲まぬ
人をよく見れば
猿にかも似る
(ああみっともない、賢〔かしこ〕ぶって酒を飲まない人をよくよく見ると、猿に似ていることよ)―酒を愛した旅人の人柄を彷彿(ほうふつ)とさせる。
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