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  • 執筆者の写真高森明勅

泣きながら「介護」を離職

11月26日のブログ

「安倍政権の移民政策、『介護』を直撃」の

末尾に次のように書いた。


「誰もが当事者になり得る問題だ」と。


するとたちまち息子からメールが届いた。

自分にも介護福祉士だった友人がいる、と。


とても優しい男で、職場も楽しかったらしい。


クリスマスには、介護させて貰っている

おじいちゃんやおばあちゃんがサンタクロースに

仮装したり。

仲良くなって心の絆が出来ていたようだ。

しかし、とにかく賃金が安すぎた。


これでは生活できないし、結婚もできないし、

子供を育てるなんて全然できない。


だから已むなく介護施設を辞めたという。


その時、別れる寂しさもあり、

何より信頼され、頼りにされ、

好かれていたおじいちゃん、おばあちゃんを、

お金の為に裏切るようで、本当に辛かったらしい。


泣きながら離職したと、

その友人は息子に語ってくれたようだ。


郷里の倉敷に住む私の母は、

電話をかけてくる度に、デイケアサービスで

親切に世話をしてくれる若い男性職員の話をする。


思わず、その友人と母の話に出てくる職員が重なった。


その職員はいつまで母の世話をしてくれるだろうか。


息子の友人のような気立ての良い優しい男が、

介護の現場から泣きながら離れなければならない

ような現実が、目の前にある。


彼のような人材こそ介護の分野では

最も必要なのではないか。


介護の人手不足の大きな原因は既に明らかだろう。


安倍政権はそれを放置して、と言うより、

そこを改善しなくて済むように、“安上がり”な

労働力として移民を大量に受け入れ、

介護の現場をもっと劣悪なものにしようとしている。

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