重大な事なので繰り返し指摘しておく。
今のところ、 私以外に誰がこの件を取り上げているのだろうか。 政府は驚いた事に、 今上陛下のご譲位と皇太子殿下のご即位を 「別の日」にするつもりだとか。
しかし、それは端的に憲法違反だ。 まず、前にも紹介した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」。 その第2条にこうある。
「天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、 皇嗣が、直ちに即位する」と。
天皇「退位」の翌日(!)に皇嗣が「即位」するのでは、 全く「直ちに」ではない。
よって、明白に同特例法に違反する。
しかも、この特例法は皇室典範と「一体を成す」(同附則第3条)。
従って同法違反は、皇室典範に対する違反に他ならない。
ところが憲法には、皇位の継承について、以下のように規定する。
「皇位は世襲のものであつて、国会の議決した 皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と。
つまり、皇位の継承は皇室典範に従うべき事が、 憲法に規定されているのだ。
だから典範への違反は、 ストレートに憲法そのものに違反する事になる。
かくて、天皇の「退位」と皇嗣の「即位」を “別の日”にする事は憲法上、許されない。
政府は何を検討しているのか。
普通に想像力を働かせて見よ。
天皇の「退位」と皇嗣の「即位」を別の日(!)にすれば、 一体どうなるか。
天皇が退位されたら「上皇」になられる。
だが、皇嗣はまだ「即位」されていない。 だから、皇太子のまま。
つまり、この日、上皇と皇太子だけはいらっしゃる。
しかし、最も大切な「国民統合の象徴」である天皇はご不在。
政府は、憲法に違反してまで、 敢えて“そんな日”を作ろうとしているのか。
そもそも「退位」と「即位」を、 ことさら“別の日”にしなければならない理由が、どこにあるのか。
正気の沙汰とも思えない。
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