憲法「世襲」を巡る政府見解

​更新日:2019年6月03日

憲法「世襲」を巡る政府見解

憲法は皇位の「世襲」継承を規定している(2条)。

それを前提に、憲法より“下位”の法律である皇室典範に、皇位の継承資格を「男系の男子」と限定している(1条)。これについて政府の見解はどうか。

 

「男系の男子ということは(憲法)第2条には限定してありませぬ。…時代時代の研究に応じてあるいは部分的に異なり得る場面があってもいい…そういう余地があり得る」(金森徳次郎国務大臣、昭和21年9月10日、貴族院帝国憲法改正案特別委員会)

 

必ず男系でなければならないということを、前の憲法と違いまして、いまの憲法はいっておるわけではございません...」「絶対的に女子が天皇に立たれることを憲法が禁じているわけでもありませんので、国民感情の推移によりましては…(女性も皇位継承資格を持つことも)不可能なことだというふうに私は考えておりません」(関道雄内閣法制局第1部長、昭和41年3月18日、衆議院内閣委員会)

 

「それ(憲法改正ではなく、皇室典範の改正だけで女性天皇が可能かどうか)は、憲法の規定の範囲で(典範改正だけで)変更できる問題だろう」(福田康夫内閣官房長官、平成13年5月18日、衆議院内閣委員会)

 

「現行の憲法におきましては…皇位は世襲であるということのみを定めてございます。…したがいまして、憲法を改正しなくとも、皇室典範を改正することによりまして、女子が皇位を継承することを可能とする制度に改めることができる」(梶田信一郎内閣法制局第1部長、平成18年3月1日、衆議院予算委員会第1分科会)

 

内閣法制局『憲法関係答弁例集(2)』(平成29年)にも以下のようにある。「憲法第2条は、皇位が世襲であることのみを定め、それ以外の皇位継承に係ることについては、全て法律たる皇室典範の定めるところによる」「(同条)は皇位継承者の男系女系の別…については、規定していない」と。

 

以上によって、政府も学説上の多数説と同じ立場を維持して来たと理解できる。それは憲法・典範についての最も素直な解釈でもあった。

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