高森明勅2021年12月19日4 分政治皇室の人権を巡る憲法学における通説の変遷とその問題点以前にも紹介したように、天皇・皇室と人権を巡る憲法学説は、およそ3説に整理できる。 《3つの憲法学説》 A説は、天皇及び皇族が共に人権の享有主体である「国民」に含まれる(但し、憲法が定める世襲制・象徴制による特別扱いがなされる)とする(宮沢俊義・佐藤功・芦部信喜ら)。政府見...
高森明勅2021年11月15日1 分皇位継承問題皇室に人権が無いなら今後、皇籍取得する国民がいるだろうか天皇・皇室を巡る制度を“人権ゼロ”の身分制の「飛び地」と見る憲法学説に影響されたのかどうか。 「天皇制」廃絶を望む左翼・リベラル系以外(保守?)にも、皇室の方々の「人権」を認ようとしない論者がいるとか。 しかし、皇室には「いかなる奴隷的拘束も受けない」(憲法第1条)、「思想...
高森明勅2021年10月3日4 分皇室天皇・皇族は憲法上、基本的人権を認められるのか、どうか?皇室の方々に人権は認められるのか。 憲法上、基本的人権の享有主体として位置付けられるのか、どうか。 《皇室と人権の関係》 これについては従来、主に3種類の考え方がある。 A説は天皇・皇族共に基本的人権の享有主体である「国民」と見る立場(宮澤俊義氏・佐藤功氏・芦部信喜氏ほか)...
高森明勅2018年7月8日2 分皇位継承問題皇室と「人権」天皇と皇族方は、憲法が国民に保障する自由と権利を、全面的又は大幅に制約されている。 この事実をどう考えるべきか。 憲法学の標準的な教科書の記述はこうだ。 「二通りの考え方がありうる。第1は、天皇、皇族に人権享有主体性(人権を保障される資格)を認めつつ…ただし憲法が世襲制に基...