高森明勅
2018年5月26日1 分
井上武史氏は憲法学者としては珍しく
「集団的自衛権」は合憲との立場。
学界では絶対的な少数説だろう。
しかし、学説の当否が多数決で決まる訳ではないのは、
私自身、体験的にも確信している。
では井上氏はどのような論理で合憲との結論を導いているのか。
およそ以下のようであるらしい。
(1)政府が、それまでの憲法解釈を変更する事自体は、憲法上の問題はない。
(2)集団的自衛権は国際法上、各国に認められた権利だ。
(3)日本国憲法は集団的自衛権を禁止も肯定もしていない。
(4)集団的自衛権は「権限」ではなく「権利」なので、授権規定は必要ない。
(5)よって、憲法が集団的自衛権を肯定(つまり授権)
していなくても、ことさら禁止されていない以上、
政府が従来の解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めても、
違憲にはならないー。
それなりに筋の通った理屈のように見える。
しかし私は憲法学はズブの素人ながら、
2点ほど重大な弱点を抱えているように感じる。
それは…別の機会に。
皆さん、それぞれ考えてみて欲しい。