高森明勅

2017年11月17日2 分

神器は皇位と共にあり

神話に由来する「三種の神器(じんぎ)」は
 
神聖な皇位の“しるし”。

従って、皇位を継承された場合、
 
神器は直ちに新しい天皇のもとに移る。
 

 
明治の皇室典範にも次のような明文規定があった。

「天皇崩ずるときは皇嗣…(直ちに即位して)
 
祖宗(そそう)の神器を承(う)く」(第10条)と。

今の典範には、そうした明文の規定はないものの、
 
昭和から平成への御代(みよ)替わりの際に、
 
きちんとその趣旨を踏襲し、時間を空けないで、
 
神器を受け継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」などが執り行われた。
 

 
再来年に予定されている御代替わりにおいても当然、同様に行うべきだ。

普通に想像力を働かせば良い。
 

 
今上陛下が譲位されて上皇となられる。

一方、皇太子殿下は即位されて天皇になられる。
 

 
皇位は厳かに継承される。

にも拘らず、皇位のしるしの神器が、
 
暫く上皇のもとに留まり続けたり、
 
全く別の場所に保管されたりするのは、
 
明らかに道理に反する。
 

 
天皇の退位と皇嗣の即位は「同瞬間」になされ、
 
それから時を隔てないで剣璽等承継の儀などが行われるのが、当たり前だ。

元号を改めるのは、その翌日で良い。
 

 
神器は皇位と共にあり。

万が一にも、その鉄則を蔑(ないがし)ろにしてはならない。

こんな初歩的な事を、
 
改めて強調しなければならない事自体、
 
甚だ情けない。

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