高森明勅
2018年1月15日1 分
明治の自由民権運動を支えたロジックを巡り、
日本政治思想史が専門だった故・坂本多加雄氏が
こんな指摘をしておられた。
「民権運動がめざしていたのは、『民主主義』の実現を通しての
国民意識の形成であったということができるのではなかろうか。
一般に西欧をふくめて、『民主主義』は『国民主義』を実現し、
逆に『国民主義』は『民主主義』を要求するのである」
(『明治国家の建設』)と。
今の憲法が抱える課題も、これと共通する。
日本の自主独立という国民主義(国権)的な要求と、
国内の民意尊重という民主主義(民権)的な要求はコインの裏表だ。
自主独立を回復しない限り、
民意よりアメリカの都合が優先され続ける。
民主主義を貫徹しようとすれば、
対米依存=従属から脱却する以外の選択肢はない。
その為には、集団的自衛権のみに傾斜して
対米従属を完成させる安倍加憲ではなく(!)、
個別的自衛権を拡充しつつ制限する立憲的改憲が不可欠だ。
立憲的改憲は、我々一人一人が真に「民主」的な
「国民」になる為に、避けて通れない関門だ。
護憲(民権)派も改憲(国権)派も、
平成の自由民権運動に結集せよ!