高森明勅

2019年3月28日1 分

北方領土という「外交の罠」

北方領土を巡るロシアの本音はどのようなものか。

ロシア語メディア(NTS、3月15日)が以下のように伝えているとか。


 
「露大統領府筋も外務省筋も、

日本への島の引き渡し計画はないとし、

さらに次のように述べた。

大統領の原則は、日本側が受け入れられない

条件を出して日本にそれを拒否させることだ。

露当局は、島の引き渡しを直接拒否することは

『外交的配慮から控えている』。

大統領は島の問題を外交手段として利用しているからだ。


 
つまり平和条約の話し合いを始めたと

見せかけて、実際には他の目的、

つまり経済その他の協力を得ようとしている。


 
これは古代中国の諺(ことわざ)にも通じる
 
『外交の罠(わな)』だ。

兵法三十六計の第6計は『東声西撃』、
 
すなわち相手の関心をあらぬ方向に向けさせ、

実際には全く別の目的を追求することにある。

第7計は『無中生有』、すなわち相手に現実的には

何の根拠も無いのに期待(幻想)だけは抱かせることだ」と。


 
安倍首相はプーチン大統領とは

“個人的な信頼関係”があると自慢していた。
 
地元の山口県に招いて歓待もした。
 
しかし、まんまと「罠」に嵌まっていただけではないのか。

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