高森明勅

2019年4月13日1 分

ご手術直後の「ありがとう」


 
天皇陛下の前立腺癌のご手術に当たった

東京大学医学部名誉教授、北村唯一氏。

ご手術直後の陛下のご様子について、

以下のような証言をしている。


 
「手術直後、病室に移動するための

ストレッチャーに乗せられた陛下に『無事終わりました』と伝えると、
 
一言『ありがとう』とおっしゃいました。

普通、手術直後は朦朧(もうろう)とした状態が続いていますから、

手術室でお礼を言われた経験はあまりありません。

印象的な出来事でした」と。


 
陛下はこんな場面でも、

やはり「天皇」であられた。

これは生半可な“修行”などで

出来る事ではあるまい。


 
まさにご幼少期以来、長年に亘り

「天皇」たるべく周囲もご養育に当たり、

何よりご本人が努めて来られたからこそ、だろう。


 
普段なら誰でも、それなりに立派に振る舞う事ができる。

だが非常の際には、隠しようもなく、

その人の本当の価値が露出するものだ。

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