高森明勅
2021年4月4日1 分
去る3月26日、延期されていた宮中の歌会始が皇居の宮殿(松の間)で催された。
今年のお題は「実」。
一般から詠進された和歌も1万3657首に達した。その中から10首が選ばれる。これを「選歌」と言う。又、「佳作」とされた和歌も18首あった。それらの中から、私の印象に残った作品を紹介しよう。
シールドの
向かうの客に
釣り渡す
架空のやうな
現実にゐる
(広島県、山本美和さん)
いにしへの
海を渡りし
船のごと
草の実つけて
子は帰り来る
(東京都、佐伯なぎささん)
実感が
どうしてもない
私が
中学一年
だといふことが
(長崎県、久田桃香さん)
なお、妻の高校時代からの友人の和歌も、佳作に選ばれた。
素晴らしい。