高森明勅

2019年4月20日1 分

昭和天皇から今上陛下へ

最終更新: 2020年12月25日

児童文学作家の高木敏子氏。
 
今上陛下の「慰霊の旅」を巡って、以下のように述べておられる。
 

 
「中学生だった秋篠宮さまが、両親と妹を亡くした戦争体験を綴(つづ)った『ガラスのうさぎ』(昭和52年刊)を読んでくださり、両陛下に勧めてくださったそうです。
 
それがきっかけとなり、東宮(とうぐう)御所や皇居にお招きいただくようになりました。
 
…陛下からは国外を巡る『慰霊の旅』への強い思いも伺いました。
 

 
私が『ご高齢ですから、控えられた方がいいのではないですか?』と申し上げると、『そういうわけにはいかない』と。
 
実は、お父上である昭和天皇から『自分が行けなかった海外の戦地を巡って欲しい』
 
と言われたことがあるそうです。
 
いわば“遺言(ゆいごん)”のようなもので、だからこそ、陛下はあれだけご熱心に巡られた
 
のだと思います」と。
 

 
勿論、陛下ご自身に深い“慰霊”のお気持ちがなければ、様々な困難を乗り越えて行われて来た「慰霊の旅」はあり得なかった。
 
しかし、その背後に昭和天皇からのご附託があったのは(ある程度、拝察は出来ても)、
 
確かな証言は少なかったのではないか。
 

 
大切な証言だ。

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