政府が大嘗宮「萱葺」を検討

​更新日:2019年8月27日

政府が大嘗宮「萱葺」を検討

大嘗宮(だいじょうきゅう)の屋根を板葺(いたぶき)に変更する問題を巡り、次のような報道があった。

 

「茅葺(かやぶ)き文化の保全継承を目指す自民党の『茅葺き文化伝承議員連盟』の山口俊一会長は(8月)30日、菅義偉官房長官と首相官邸で面会し、11月に行われる皇位継承に伴う重要祭祀(さいし)、大嘗祭の舞台『大嘗宮』の屋根材を茅葺きに仕様変更するように要請した。菅氏は『内部で検討してみる』と述べた。

 

歴代、大嘗宮の屋根は茅葺きだが、今回は経費削減のため板葺きで造営される方針。山口氏は面会後、記者団に対し『茅葺きは日本の伝統文化であり守っていきたい』と語った」(産経新聞8月31日付)

 

これは有難い。この要請がもっと早ければ、更に有難かった。

しかし、菅官房長官が「検討」を約束されたのなら、賢明な結論を期待したい。私がこの問題を最初に指摘したのは、昨年12月20日のブログ「『大嘗宮』気になる変更」だった。これは、前日の宮内庁の第3回「大礼委員会」で、“板葺(いたぶき)”の方針が初めて打ち出された、翌日のタイミングだった。

 

その後も、ブログや講演などで繰り返し取り上げるだけでなく、非力ながら様々な方面に直接、働き掛けて来た(この間、私の呼び掛けに最も誠実かつ熱心に応えて下さったのはZ氏)。その後、今年になって、大嘗宮の造営に関して、宮内庁が予定していた15億4220万円を遥かに下回る、9億5700万円で落札された事実が明らかになった(産経新聞6月7日付など)。

 

大嘗宮の屋根の葺き方に関係なく、経費が6億円近くも削減される事になったのだ。これで板葺に変更する理由はもはや無くなった(元々、僅かな経費削減が伝統的な萱葺〔かやぶき〕廃止の理由になり得るかは、ともかく)。古代以来、“直近”の平成まで守られて来た萱葺の伝統(それは大嘗宮の清浄さの象徴)を、私共の目の前で廃止する愚挙は、かろうじて防ぐ事が出来た―と思った。

 

ところが奇妙な事に、宮内庁は全く方針を変更する気配がなかった(役人のメンツにこだわっているのか?)。その意味で、この度、国民の代表たるべき国会議員のグループが、この問題で政府に正式に要請して下さった意味は、決して小さくない。政府には、令和の大嘗祭が後世から残念がられるような事態だけは、是非とも避けて戴きたい。

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